投資ビギナーが知っておくべき株式用語をレベル別に紹介!初級・中級編
2022年09月29日
経済専門誌や投資情報サイトなど、株式や投資を始めると、誰しも必ず贔屓の情報媒体を見つけるものです。
しかし大事なのは、と「その内容を正しく読み取ることができているかどうか?」だと思います。
何せそれら専門媒体には、幾つもの専門用語が飛び交っているものです。ビギナーだと読む度に何度も用語集を引っ張り出している方も少なくないでしょう。
そこで今回は、情報を正確に把握するために欠かせない、最重要語句についてカテゴリ別に紹介していきます。
・レベルに応じた投資用語がわかる
・日常生活に溢れる投資にまつわる情報を読み解くことができるようになる
目次
- 1 これだけは覚えておきたい投資用語
- 2 専門用語を覚えておくと何ができる?
- 3 まとめ
・知っておくべき株式用語LV.1(超初級編・基礎用語)
・知っておくべき株式用語LV.2(初級者編・ちょっと難しいけどよく聞く用語)
・知っておくべき株式用語LV.3(中級者編・ちょっと難しいテクニカル用語まで)
・新聞や専門書の内容を理解することができる
・スクールに通っても内容が頭に入りやすい
1 これだけは覚えておきたい投資用語
銘柄を購入するより、市況を読むよりも、何より専門用語がわからない!
これはもうビギナーの多くがぶつかる最初の関門ではないでしょうか?
言葉がわからなければ、証券口座を開設するのも難しいと思います。
そこで同章では、問題なく口座を開設できるレベルの基礎用語からまとめて紹介・解説していきます。
知っておくべき株式用語LV.1(超初級編・基礎用語)
まずは株式用語の超初級編です。
具体的なレベル感は、前述したように証券口座を開設できる程度のものばかりです。
ぜひ一つ残らず理解できるよう、しっかりと覚えてくださいね。
【株式用語LV.1】
株や投資の第一歩と言えば、証券口座を開設すること。そこで最初にご紹介する用語は、こちら。
●特定口座(とくていこうざ)・・・特定口座とは証券口座の一つで、主な特徴は確定申告時に必要となる、年間取引の損益をまとめた「年間取引報告書」を作成が不要になる点です。
さらに特定口座を開設する際は「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」のどちらかを選択する必要があります。
「あり」を選択した場合は、配当所得に対する確定申告をする必要がなく、さらに口座を開設した方が被扶養者である場合、扶養者側は配偶者控除または扶養控除を受けることができます。
一方「なし」を選択した場合は、その名の通り源泉徴収が行われないので、年間所得が20万円に満たない方は余分な課税を防ぐことができます。
また、「なし」の場合は利益を確定した際に源泉徴収されないため(「あり」の場合は利確時に源泉徴収される)、利益の全てを受領できます。とは言え、後日自身で確定申告する必要があるあたりは覚えておいて下さいね。
●約定(やくじょう)・・・何だか難しい言葉のような雰囲気を持っていますが、簡単に言うと「約定」とは株式取引などの売買が成立することです。
細かく説明すると、買いたい人と売りたい人の条件がバッチリ合い、取引が成立した状態のことを言います。「約」という字は「取り決め」という意味も持っており、取り決めが定まったので「約定」と書くと言えばわかりやすいですよね。
●証券取引所(しょうけんとりひきじょ)・・・証券取引所とは、株式や債券などの有価証券を売買することを目的とした施設です。
証券会社が顧客の注文を受け、取引所に銘柄の発注をするという仲介役であるのに対し、取引所はその大元となる売買を担っています。両者はよく混同されがちなので、個々の役割・違いについてよく把握しておきましょう。
●現物取引(げんぶつとりひき)・・・店頭で販売担当に直接現金を払い、株券を購入する、という行為ではありません。
現物取引とは、簡単に言うと有価証券を現金で購入することです。割とややこしく表現しているところもありますが、単純に自己資金で株式や債券を買うという行為を現物取引と言います。
●信用取引(しんようとりひき)・・・自己資金で有価証券を購入する現物取引に対し、信用取引は証券会社から資金や株式を借りて売買することになります。
借りて払うから信用ってことですね。資金が少なくても取引できるので、ここぞという購入機会を逃すことがないあたりがメリットです。
●リスク・・・「リスクって、いわゆる背負うリスクのことでしょ?」と嘲笑する方もいるかもしれませんが、投資におけるリスクとは、言わば略語です。
例えば株式投資のリスクには「値下がりリスク」「倒産リスク」「流動性リスク」といった3つのリスクがあります。
それぞれを簡単に解説すると、せっかく購入した銘柄が値下がりしてしまいマイナスを被る可能性があること、購入した企業が倒産し、株式が紙切れ状態に陥ってしまうこと、そして最後のリスクは、市場の変化に追いつかず、買いたい価格で買うことができない、はたまた売りたい時に売ることができないということ。
それらにおいて負う可能性のあるマイナス要素をリスクと呼称しています。
知っておくべき株式用語LV.2(初級者編・ちょっと難しいけどよく聞く用語)
では次のレベルに進みましょう。
「ちょっとだけ難しい初級用語」と銘打っておりますが、新聞やニュースに出てくるレベルです。
つまり、この程度の言葉を知っていれば、経済ニュースの内容は何となく理解できると思いますよ。
【株式用語LV.2】
●円高・円安(えんだか・えんやす)・・・読んで字の如くですが、「円高」とは円の価値が高いことを示し、「円安」とは円の価値が低いことになります。
比較基準となるのは米ドルで、例えば、かつては100円出せば1ドルを買うことができたのに、昨今では50円で1ドルを買うことができる様になったとしましょう。これはつまり・・・円の価値が上がったということで「円高」という状態になります。
一方、1ドルを100円で買うことができた時期を経て、今では200円出さなければ1ドルを買うことができなくなってしまった。これは先ほどの状態とは真逆ですので、「円安」になったということです。勘違いのないように。
●インフレ(いんふれ)・・・何だか投資用語というより経済全般用語集のようになってきておりますが、続いては「インフレ」です。
インフレーションの略語で、端的に言うと「物価が上昇し続ける状態」のことを指します。
そして世の関心や消費購買行動はどうなるのか? というと、現金の価値が目減りし、資産価値が上昇する見込みのある株式や不動産等の資産運用が活発化し、金や美術品なども売れるようになります。いわゆる「買い時」ってやつですね。そしてインフレの逆の状態こそがデフレーション、つまりデフレです。物価が持続的に下落し、物に対して現金の価値が上昇していく様になります。
●日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)・・・これもよくニュースでよく耳にする言葉ですよね。一体何のことか?というと「日本の株式市場の動向を表す指標の一つ」 となります。
まあこれは完全に用語辞典に載っている解説ママなのですが、もっと簡単に言うと、日本を代表する225社の平均株価のことを日経平均株価としています。
つまり、日経平均が下がっていれば企業の株価が下降気味であることを示し、その逆もまた然りとなるのです。大まかすぎるかもしれませんが、国内における経済活動状態の良し悪しをはかる指標だと思っていただいて相違ないと思います。
故に、ニュースで「今日の日経平均は前日よりも●●●円上がり〜」というアナウンスを聞いたら、なるほど。何となく調子が良いみたいだなと思っていただければ良いでしょう。
●景気動向指数(けいきどうこうしすう)・・・「先頃、内閣府が発表した前月の景気動向指数によりますと〜」なんて始まりのニュースを聞いたことがあると思います。
景気動向指数というのは、簡単に言うと景気が上向いているのか、はたまた下向きであるのかを判定する指標のことです。
景気の影響を受けやすい28もの指標について、3ヶ月前と比較して指数が増加していればプラスとなり、全体的にプラス指標が50%を超えていれば景気は上向いていると判断し、50%以下だと景気は下向いていると判断します。景気の動向を把握するのに欠かせない基準こそが、景気動向指数なのです。
知っておくべき株式用語LV.3(中級者編・ちょっと難しいテクニカル用語まで)
今回のキモなのが中級編です。
これまでは株式用語と言うより、一般的な経済用語ばかりでしたが、ここでは取引にまつわる専門用語をメインに紹介していきます。
釣りなら「バクチョウ」、競馬なら「一本被り」といった、世間的には知られていないが、ユーザーの間では当たり前の共通用語となっているようなものを厳選して紹介していきますので、ぜひ覚えてくださいね。
【株式用語LV.3】
●上げ相場(あげそうば)・・・相場が基調的に高まっていく状態のことを言います。熟練者や通の間では、「上昇トレンド」なんて言い方もされています。
手練れの投資家なら、上げ相場は「天与の好機」と言われ、資金を大きく投じる絶好の機会として待ち望んでいるそう。
ちなみに、上げ相場とは反対に、だんだんと下落していくことを「下げ相場」と言います。
●アク抜け(あくぬけ)・・・悪材料が解消され、株価が下げ止まること。
何だかわかりにくいかと思うので一つ例文を挙げると、ある食品メーカーで、他社製品の模倣が発覚。それによって株価は下がり続けたが、決算で株価下落による赤字の程や明確な減収額をまとめた。悪材料が全て明るみに出たことで、模倣の件を謝罪・対応したことにより、悪材料は見事精算。
その後から株価が回復傾向に。アク抜けとはつまりそういう状態のことです。
●荒れる(あれる)・・・荒れると言うからには、良い状態ではないことがわかりますよね。株式や投資の場で言う「荒れ」も同じように良くない状態を表します。主に相場が上下に激しくぶれる状態を「荒い相場・荒れる相場」と言います。
前に紹介したような悪材料が原因で株価を一気に下げてしまったり、その悪材料を解消して急激に株価を上げるなんて状況もあるでしょう。
●インカムゲイン(いんかむげいん)・・・株式の配当や国債・社債などの債券や預金などの受け取り利子のこと。
細かく説明すると、株式の場合は配当金、債券は利子、不動産投資の場合は賃貸から得られる家賃収入がインカムゲインにあたります。そして、株式投資から得られる利益は、このインカムゲインと株価の値上がりから得られるキャピタルゲインの2つです。
●会社四季報・・・直接的な株式運用のテクニックとは関係ありませんが、株式を始めるなら一度は目にする必須アイテムこそ、この会社四季報です。
会社四季報は本で、東洋経済新報社から1年に4回発行されている企業内容を調べるための代表的な投資情報誌の一つとなります。
国内にある3000もの上場企業の現状や将来性などが全て書かれている一冊であり、熟練者はこの四季報のみで購入株式の傾向と対策を練ると言われています。文字が小さいので読みにくいあたりは否めませんが、株式投資を始めるなら携帯必至です。
●逆張り(ぎゃくばり)・・・逆張りとは、相場の流れに逆らって売買するという投資テクニックの一つです。
保有株式が人気になった時に売却し、何らかの事情で値下がりし、人気が低迷しているタイミングを狙って購入すること。
つまり、市況の裏をかいた行為なのです。しかし、この逆張りこそが赤字の元凶とみなす有識者が多いのも事実。
なぜなら、単純に値下がりした銘柄を見つけたら、手当たり次第「安くなった!」と錯覚して購入していく投資家が多く、値を下げた理由や該当企業の状況すら把握しないまま買いに走ってしまった結果、上がらないどころか下がり続けてしまうなんてことも珍しくありません。
できるだけ低い値で購入し、高値になったタイミングで売るのは株式投資の鉄則ですが、リサーチや専門知識が足りない状態で逆張りをするのはやや危険かもしれません。
2 専門用語を覚えておくと何ができる?
何をやるにもまず勉強から。それは投資のみならず、色々なことに言えると思います。
例えば、野球を始めたばかりの子供は、上手くボールを打つ方法を知る前に、野球のルールを知ろうとしますよね。なぜなら、せっかくヒットを打っても、どこを目指して走ればよいのかを知らなければ、アウトになって終わるだけです。
とはいえ、野球のルールなんか全くわからない子供でも、ヒットを打つことは可能ですし、釣りの専門用語など知らずとも、魚を釣ることは可能です。
はたまた競馬用語なんか一つも知らないまま馬券を買っても、万馬券を獲得することはさほど難しくありません。
では、なぜ専門用語を知る必要があるのでしょうか? 釣りや競馬はもちろんですが、特に投資に於いては専門用語を知らなければ銘柄一つ購入するのも難しいと言われる理由は何なのでしょうか?
新聞や専門書の内容を理解することができる
今回の冒頭でも少しお話ししましたが、株式投資を進めていく上で、ビギナートレーダーが最初に躓くポイントは「証券サイトや経済新聞に書かれている内容が何となくしかわからない」ことです。
新聞やニュース、会社四季報ではもちろん、証券口座を開設しているサイト内ですら、専門用語のオンパレードですよね?
それらをうやむやにして無視し続けることで、市況を見ることはもちろん、いつ、どのタイミングでどの銘柄を買うべきかというヒントにすら辿り着けないまま、挙句赤字を出して投資を辞めてしまうなんて未来も容易に想像できます。
大学や専門学校で経済について勉強してきた方なら問題ないと思いますが、そうではない場合、多くが言葉の壁に阻まれて投資を諦めてしまいます。
そうなると、投資信託ならプロに運用を任せられるし、NISAやiDeCoなら素人でも簡単・お得に投資に関わることができると安直な思想を張り巡らせるものです。まあそうしたところで、結局同じ壁に阻まれてしまうのは言わずもがなでしょう。
しかし、専門用語を知っていればどうでしょうか?
投資のテクニックを会得するには経験を積むまでの時間を要すると思いますが、少なくとも状況を正確に判断して、少しでも良い方向に進むようにマニュアルを理解することはできますよね?
つまり、大事故になりにくいという訳です。
ニュースや専門誌から、正しい情報を正しい形でインプットするためにも、専門用語を理解するというミッションはビギナーが避けて通れないプロセスなのだと考えてくださいね。
投資スクールに通っても内容が頭に入りやすい
これは筆者の個人的な考えですが、投資家として差がつくのは基礎的な知識量の密度次第だと思っています。
そして、投資で結果を出すための最短距離は、有識者からの教えを乞い、より多くの専門知識を蓄えることでしょう。その為にビギナーがやるべきことは、投資スクールに入校すること。そして同時に専門用語を理解するための個人学習を進めることだと考えます。
投資スクールに入校して、せっかく良い講義を受けても、講師が言っている言葉がわからなければ、インプット量も少なく、復習する時間が膨大になるだけなのです。
投資スクールに関しては、別の記事で紹介していますので、
気になった方はこちらも読んでみてください。
・「投資スクール」に通う意味とは?勉強にかかる料金や内訳も紹介
3 まとめ
投資用語なんて、やっていくうちに覚えていくもの。という考え方を持つ上級者もいると思いますが、入り口で躓く方の多くは、言葉の意味を理解できずに辞めてしまうケースがほぼだと思います。
赤字を出してしまったからという方もいると思いますが、そういう方の多くは言葉の意味もわからず、雑誌やネットの薦めを鵜呑みにして購入して失敗してしまうなんてこともあったのではないかと推測します。
まずは今回紹介した超初級編の用語だけでも理解して、そこから学習してみることをおすすめします。回り道することなく、基礎からしっかり覚えておくことで、きっと良い結果が出るようになると思いますよ。
そして今回、ナンバリングタイトルにしたのは、今後も用語に関する記事を紹介したいと思ってのことです。なぜなら、覚えるべき投資用語はまだまだ山ほどあって、今回ご紹介したものなど氷山の一角にも値しないごく少ないものだからです。中級者以上の方には退屈な内容だったかもしれませんが、ビギナートレーダーの方は、ぜひ以降の用語記事もお見逃しないよう。
当サイトでは、投資が学べるスクールをランキング形式で紹介していますので、投資の勉強を始めてみたいという方は是非、ランキングも参考にしてみてください。