NISAはほったらかしでも結果が出る?目からウロコのNISA運用方法を紹介
2022年12月27日先頃、政府は少額投資非課税制度であるNISAの拡充を決めたという報道がなされたことで再び注目を集めています。
投資未経験者にも優しい制度とあって、将来の資産形成に向けてNISAを始めたいと考えている方も少なくないでしょう。
とは言え、不安なのは投資である以上、難解な仕組みをある程度把握し、運用するためにそれなりの知識を蓄え、手数を要するのではないか? という点に他なりません。
しかし「NISAはほったらかしでも運用できる」という有識者からの声も少なからずあり、真偽のほどが気になるビギナーもいるでしょう。
そこで今回は、至極簡単な方法でNISAを運用し、ある程度の結果を出す手段について紹介・解説していきます。
・NISAは本当にほったらかしで運用OKなのか?
・”所得倍増プラン”でNISAが注目を集めている理由とは
目次
- 1 NISAは「ほったらかし」でいいのか?
- 2 ほったらかし上等?NISAを効率よく運用するために覚えておくこと
- 3 なぜ今NISAが騒がれているのか?
- 4 まとめ
・1-1 そもそもNISAってどんな制度?
・1-2 そもそもNISAをやるメリットって何?
・1-3 NISAのおすすめ運用方法とは?
・2-1 長期保有が基本
・2-2 選ぶ商品にも注意すべき
・2-3 ある程度資金に余裕を持つべき
・3-1 NISA制度が恒久化、非課税保有期間も無期限に!?
・3-2 投資枠が拡大!?
NISAは「ほったらかし」でいいのか?
株式などの投資を始めると、様子が気になって都度状態を調べる方が多いと思います。
例えば、値が上がってきているタイミングでさらに資金を投入したり、はたまた値が下がってきたタイミングで撤退を考えてみるなど、常に相場と睨めっこしながら運用方法を熟考するのが一般的なスタイルです。
しかし、投資経験が浅い方などは、つい購入したままほったらかしにしてしまうなんてこともしばしばあると思います。
とは言え、それは何も悪いことではありません。
昨今、制度改正がニュースになったことにより、再び脚光を浴びているNISAは、「ほったらかし運用」でも利益を出すことができるなどと言われているのです。
投資ビギナー向けの制度なので、ほったらかしで運用しても問題はないのかもしれませんが、それは本当に得策なのでしょうか?
そこでここでは、NISAの仕組みやメリットなどと合わせて、取るべき運用スタイルに至るまで紹介していきます。
そもそもNISAってどんな制度?
おさらいの意味でNISA制度の概要について振り返ってみましょう。
NISAとは、少額から投資ができる非課税制度のことで、家計の自助努力に基づく資産形成を支援・促進を図るために生み出されたという背景があります。
概要は以下の通りです。
【NISA概要】
※金融庁HPより抜粋
*1 …0歳~19歳の方は、ジュニアNISA口座をご利用いただけます。詳しくはジュニアNISAのページをご覧ください。なお、成年年齢の引き下げに伴い、2023年は、一般NISAについては18歳以上の方、ジュニアNISAについては0歳~17歳の方がご利用いただけます。
*2 …NISA口座を開設する金融機関は1年単位で変更可能です。ただし、開設済みのNISA口座で既に株式・投資信託等を購入している場合、その年は他の金融機関に変更することはできません。
*3 …2015年以前分は100万円。未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。
*4 …期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能です。
*5 …2024年以降、一般NISAが見直され、非課税対象および非課税投資枠が変わります。詳しくは新しいNISAのページをご覧ください。
そもそもNISAをやるメリットって何?
大々的なプロモーションで登場したNISAですが、その制度を活用する具体的なメリットとは何なのかを紹介すると・・・
・利益の全てが非課税になる
・好きなタイミングで売却できる
・1年間で120万円の非課税枠が活用できる
・投資信託のみならず株も運用できる
お分かりのように、NISA最大のメリットは何と言っても利益が非課税になる点に他なりません。
ただし、一人につきひと口座しか開設することができない点や、すでに保有している金融商品をNISA口座に移すこともできないあたりは注意しておくべきです。
さらに後者の点に付随することとして、NISAで取引した損益は、一般口座や特定口座と損益通算できないこともNISA制度を利用するにあたって、携えておくべき点と言えるでしょう。
NISAのおすすめ運用方法とは?
ほったらかしでも大丈夫なのかどうかはさておき、NISAは一般的にどう運用するのがよいのか? というと、やはりリスクを抑えて安定的にコツコツ運用するのが最良かと思われます。
相応しい金融商品やサービスを挙げるなら投信積立※やバランス型投信などでしょう。
しかし、もっと利益先行で運用したいと考えるなら国内株式や新興国株、さらにアクティブ型投信など高い値上がり益が期待できる商品を購入して運用するのが良いと思います。
ただし、利益を重視した場合は当然リスクも高まるので、分散投資をするなどの手段を講じてリスクヘッジすることは必至です。
より詳しい運用方法については次章で紹介していきます。
※投資信託を毎月定額で積立投資するサービスのこと
ほったらかし上等?NISAを効率よく運用するために覚えておくこと
前項で軽く紹介しましたが、NISA制度を使ってしっかりと利益を出し、長期間に渡ってそれを維持するには、商品の選び方や選んだ商品に準じた運用スタイルを構築する必要があります。
ここでは、ビギナーがNISAを活用していく上で携えておくべき注意点や運用方法などについて紹介していきます。
長期保有が基本
少し前の話になりますが、NISA口座のうち4割程度が非稼働状態であるという事実が判明しました。
つまりそれは・・・多くのユーザーがほったらかしているということです。
ただし、ここで推奨する運用方法はほったらかしとは少し意味が異なり、あくまで「長期保有する」ことになります。
確かに放っておくことには違いありませんが、単に放置する訳ではなく、長期間保有することで大きくなると考えられている複利効果を期待しての放置なのです。
では複利効果とは何か? というと、運用益を元本に加えて再び投資した結果、決算ごとに単利で利益を受け取るよりも大きなリターンが見込める効果のことになります。
なので、ただ何も考えずに放置する訳ではなく、運用を開始してから非課税期間中に利益を確定する最高のタイミングを見計らう必要があることを覚えておきましょう。
選ぶ商品にも注意すべき
長期保有で利益を出すために最も大事なことは何か? というと、やはり商品の選び方に他なりません。
前記したように、NISAの投資先は多岐に渡り・・・
・株式投資信託
・国内・海外上場株式
・国内・海外ETF
・国内不動産・海外不動産
・新株予約権付社債
などになります。
具体的な商品を選ぶ際は個々の特徴をよく知ることはもちろん、目標利益を達成するために相応しい商品をチョイスする必要があるので、投資経験はなくとも商品の特徴や値動きの傾向くらいは把握しておくべきです。
ある程度資金に余裕を持つべき
少額から投資できるとは言え、投資である以上、リスクを伴うのは明白です。
なので、ギリギリの資金で運用していると、急な物入りの際に慌てて売却しなければならなくなってしまうなんてことになってしまってはあまり意味がありません。
NISAを始めるなら、最低でも半年程度生活できる余裕を残した上で、それ以外の余剰金を投入するのがおすすめです。
もし資金に余裕がない状態でもNISAを始めたいと考えているなら、1,000円程度の少額から始められる商品を購入し、コツコツ運用し続けるのがよいでしょう。
なぜ今NISAが騒がれているのか?
昨今では、メディアでNISAの名前を多く見る機会が多いと思いますが、その理由は2024年からNISA制度が刷新される可能性が高いという報道が出されたからに他なりません。
しかし現状では、金融庁のHPで具体的な内容について公表されていないので、ここで紹介するのはあくまで予定されている内容である点をご了承下さい。
NISA制度が恒久化、非課税保有期間も無期限に!?
2014年の登場以来、資産形成に有効となる制度として注目されてきたNISAですが、ここにきて制度の見直し・刷新が発表されています。現状で予定されている主な変更点は以下の通りです。
●NISA制度の恒久化
金融庁が発表したNISA拡充案によると、NISA制度自体と非課税期間を恒久化すべきではないか?という案が盛り込まれています。個々に解説すると、期限があるからこそユーザー自身に課される管理という作業を排する為に、制度の恒久化が必要であるという点。さらに期間に縛りをなくすことでじっくりと運用できる様に非課税期間を恒久化にという2点になります。
●口座開設可能期間
現行のNISA制度では、新規投資できる期間が2023年12月末まででしたが、新NISAでは2024年〜2028年までに変更されます。
投資枠が拡大!?
※2022年12月27日時点の情報のため、変更が生じることがあります
上記の通り、新NISAは2階建ての制度に変更されることになりそうです。
1階部分の投資対象となるのは、金融庁の基準を満たした一定の投資信託(ETFを含む)のみとなり、年間投資枠は20万円になります。そして2階部分はこれまでのNISAと同様(上記参照)で、レバレッジ型投資信託等は対象外となり、年間投資枠は102万円と設定されています。
ちなみに、原則として1階部分を利用した場合のみ、2階部分を利用することができ、その際は年間投資枠である20万円を使い切る必要はないそうです。
あくまで利用履歴さえあればよいということになります。
まとめ
これまでのNISA制度に加え、来年から始まる新制度の内容まで、NISAについて網羅してきました。
基本的に長期保有でじっくり運用するスタイルは、新制度に変わっても通用しますので、これから加入することをお考えの方は、ぜひ記事を参考にして見てください。
ただし、新制度に切り替わった場合、旧制度の非課税枠についてはかなり大きく変わってしまうので、しっかりと認識しておくことも忘れずに。